今日は少し趣向を変えて、環境音について触れてみました。目を閉じてどの方向からどんな音が聞こえてくるかというレッスンです。
軽視されがちですが非常に大切な「音そのもの」の本質のことです。音符でもなければ、楽器でも理論でもなく、鍵盤でも、電子音の変調でもありません。
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目を閉じているあいだ、左方向から足にシンバルつけて歩いたり、右方向から指に鈴をつけて手を振ったりすると、目を開けた時に、音が鳴っていた方向に目を向けます。本日の生徒さんは、この遊びがとても気に入ったようで、リクエストにより何度か繰り返しました。
そうなると音を出す私のほうも乗ってきて、いろんな種類の鈴を出したり、わざわざ各地で買い集めた珍しい楽器を鳴らしたり、不思議そうな顔をする子どもの表情を楽しみました。
テレビから聴こえてくる音は基本的に物を売るために作られた音だから、ご両親に家の中でのテレビの音は特に注意してほしいという話をしました。
何かを売るために作られている目立つための派手な音と、本物の音の美しさと奥深さの違いを幼いうちから体験してわかってほしいということを理解していただきました。
環境音に耳を傾けるというのは、いつでもどこでも誰にでもできる耳の訓練です。人は忙しさのあまり無意識のうちに周りの音を注意深く聴かなくなってしまうものです。
人が本当に必要な音をシャットアウトしてしまうと危険な音も聞き分けられなくなり、自分が出している音が汚いのか綺麗なのかの判断も鈍ります。
周囲の音に注意を払い、音の本質を感じることができれば天然の美しい音を再発見できるだけでなく人の魂の叫びや危険信号もキャッチできるものなのです。
まとめ
自然の多い森や公園などで、鳥や動物の鳴く声、虫の鳴き声、風で木々がざわめく音、誰かが枝を踏んで「パキッ」となる音、街中や図書館で男性が歩く音、女性が歩く音、革靴で歩く音、子供が歩く音、サンダルで歩く音、どこからどんなふうに聴こえてくるのか、自分の言葉で家族に伝えることができるようになれば、それもまた人に自分の感性を伝える訓練にもなるという話をご両親にしました。
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