私が常々、不思議に思っていたのは即興で音楽を演奏するという事でした。
子どもの頃から、音楽には楽譜があって、練習を重ねて、ステージに上がるものだと思っていたからです。
ある日、初めて出会った音楽家どうしが楽譜を見ないで、練習をしないで、音楽を演奏し始めた光景に驚いたので
記憶は定かではありませんが、おそらく映画の「バック・トゥー・ザ・フューチャー」だったかもしれません。
とにかく初めてその光景を見た驚きはずっと胸に残り、やがてあれは映画の中の御伽噺ではなく、本当に実現できることを知りました。
そうして即興演奏を独学で始め、即興演奏の中で最も洗練された技術力と表現力を持つのが、ジャズであることを知り、歯科医師を辞職してアメリカに即興演奏を学びに行きました。
私が教える音楽は私自身がさまざまな国や都市で体験してきたことや知識が反映されます。
しかし、音楽そのものにおける基本的な技術や理論は、ボストンのバークリー音楽大学で得てきたものを伝授する形になります。
ともに即興演奏を中心とした奥深い音楽の世界を分かち合っていきたいと願っております。
鈴木リョウ