S君は、最初からとても上手な生徒で、これまで通っていたピアノ教室が厳しくてしんどいという事から私の教室にやってきました。
姿勢が良く背筋が伸びて、力も程よく抜け、とても正確にとても美しい音をためらう事なく出す人で、とてつもない伸び代を感じました。
クラシックの曲を楽譜通りに弾くのではなく、アレンジや即興演奏に興味があるとの事で、レッスンを開始しています。
・コードの基礎
・ハーモニーの基礎
・絶対音感と相対音感
など、何を説明しても吸収するスピードは素晴らしく、何かひとつ説明すると、その何ステップも先のことがわかり、
まさに「一を聞いて十を知る」
というタイプの生徒です。
ジャズの代表的な曲と、ブルースについてわずか10回ほどのレッスンで、即興的に弾ける基礎が身についています。
アルペジオがやや苦手ですが、これは手の大きさの問題なので、無理せずもう少し成長してから技術を伸ばすことになっています。
今は音符の書き方、記号の書き方、自分の音を楽譜へ起こす方法をひと通り身につけ、バッハのメヌエットのアレンジに挑戦中です。
伝統的な西洋音楽の理論と対位法をじっくり学び、ゆくゆくはラフマニノフの曲をアレンジする目標を持っています。
これらのレッスンと並行して、
・12のkeyでメジャースケール
・12のkeyでマイナースケール
・12のkeyで I - IV - V - I のケーデンス
・イヤートレーニング、ソルフェージュ
・様々なテンポで音を出す訓練
などを行っており、総合的な実力がバランス良くつくようにレッスンが進んでいます。
ヨーロッパ起源のクラシック音楽も黒人起源のアメリカ音楽も、どちらも非常に重要な芸術です。
どの分野にも偏ることなく、様々な知識と技術を身に付けるのが理想で、この生徒は間違いなくそれを実現できる能力を持っており将来が非常に楽しみです!
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